年が明けたと思ったらもう2月、皆様の会社でも組織変更やチーム編成などの新年度に向けた動き、25年度の新卒社員を迎える準備に追われている企業様もいらっしゃるかと思います。
新しい人材を迎えるにあたり、考えなければならないことはなんでしょう、もちろん「育成」ですよね。
そこで今回は「社会人基礎力」について、今いちどお伝えさせていただきます。
すべての社会人必須スキルの「社会人基礎力」、特に新入社員育成でしっかり計画的にインプットしていきたいものです。
「能力」を可視化しよう!
では、まず「社会人基礎力」のお話の前に。
そもそも「能力」とは何を指す言葉かはご存知でしょうか。


過去記事でもお伝えしているとおり、「能力」は
基礎的な能力と、基礎能力を前提に身につけた能力に分類されます。
パソコンで言うところの「OS」と「アプリ」と考えれば理解が早いかもしれません。

業務上必要な「アプリ」は職種、業種によって変わってきます。
しかし、「OS」の部分は普遍的な基礎的能力であり、すべての社会人が身につける必要があります。
これが「社会人基礎力」です。
「社会人基礎力」とは?
「社会人基礎力」は
12の能力要素からなる「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、2006年に経済産業省により提唱されました。

経産省が提唱する基礎的な力、説得力がありますよね(笑)深掘りしていきましょう。
「社会人基礎力」は、12の能力要素から構成されております。
・前に踏み出す力…・主体性・働きかけ・実行力
・考え抜く力…・課題発見力・計画力・創造力
・チームで働く力…・発信力・傾聴力・柔軟性・状況把握力・規律性・ストレスコントロール力
これをご覧になっていかかでしょう。なんだ当たり前に必要なスキルだなと思われませんか?もしくは「何を当たり前のことを」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、このように可視化し、ひとつずつ丁寧に、すべての能力要素を満たしてるかどうかをチェックしている会社、セルフチェックしている人がどれだけいるでしょうか。
「社会人基礎力」は仕事を通じて教えたい??
「社員の育成」と聞くと、電話の取り方や名刺交換、ビジネスマナーなどを身につけ、先輩に付けて仕事を覚えさせ…というイメージを持つ方も多いかと思います。
仕事を覚える=現場の仕事を教える、と認知している方がまだまだ多い印象を持ちます。もちろんそれが「仕事」である、という考え方、それができるようにするのが「育成」というのも理解できます。
現場でOJTの前に、まずは前提となる「OS」の重要性はしっかりと理解されておりますでしょうか。
もちろん現場で仕事をしながらこれら基礎的な力を自ら身に付けていく優秀な若手もたくさんおられます。皆様自身も、若い頃は実践を通じて仕事を覚えるのが当たり前だったのかもしれません。
なぜなら、今や若手は貴重な人材です。ご縁あって会社に来てくれた若手社員、
大切に育て、会社を背負う実力派社員に成長していただきたい!
新入社員、最初に求められる「能力」「職責」
貴方の会社に新入社員がやってきました。彼ら彼女らをしっかり育てていくために、
まずは最初にインプットすべき「能力」とはなんでしょうか。
いわゆる「新入社員研修」はほとんどの会社で導入されているかと思います。
皆様の想像する通り、挨拶や名刺交換など。もちろんこれらは必須として、では実際の業務に携わるにあたり、必要な「能力」とはなにか、おわかりになりますでしょうか。
組織は様々な役割、役職を持った人が集まり、それぞれが「職責」を全うして仕事を進める場所です。
では、知識も経験もない新入社員の「職責」とはなんでしょうか。
自ら行動すること、「主体性」
右も左もわからない新入社員。まずは指示を受け、その通りに動くことになるはずです。
では、まずは先輩や上司に教えられ、指示され動く。
動いたら…次に何をするべきでしょうか。もちろん「報告」ですね。
今、身体が空いているのであれば、「なにかすることはありますか」と申し出ることも必要でしょうか。
アルバイトは限られた時間の中で、ある一部の決められた業務に従事して賃金を得る雇用形態ですが、社員は違います。その差はなんでしょうか。指示されたことをこなすだけではなく、自分の「職責」を果たすために自ら行動すること。
つまり、新入社員に求められる最初の能力は、「主体性」なのですね。
「主体性」の正体
では「主体性」とは、具体的に何を指す言葉なのでしょうか。

こちらの記事で詳しくお伝えしておりますが、
「仕事のゴールに向けて進む1本の道」のようなもの、と表現させていただきました。
仕事というのは、必ず、どこかの地点にゴールがあります。ゴール地点が遠い大きな仕事でも、要所要所にある一定のゴール、「チェックポイント」のような箇所はあるはずです。

そして、仕事とは、そのゴールに向かうひとつの道筋です。
通る場所、歩むスピード、戦略などは異なりますが、その人が進む「道」は1本になるはずです。
向かうべきゴールが見えており、そこまでの道筋を自分の意思で、しっかりと進んでいること、これが「主体性」なのではないでしょうか。
新入社員に限らず、すべての働く皆さんは、今、あなたがやっている仕事のゴールは、その目的はなんですか?ゴールに向けて自分の走る道は見えていますか?そこに向かって走り初めていますか?自らの判断で足を進めていますか?
これが「主体性」の正体…と、私は考えております。
「前に踏み出す力」をつちかおう
新入社員が最初に必要な能力は「主体性」である…という話をお伝えしたところで、では他に必要な能力はなにか、今いちど「社会人基礎力」を確認してみましょう。
・前に踏み出す力…・主体性・働きかけ・実行力
・考え抜く力…・課題発見力・計画力・想像力
・チームで働く力…・発信力・傾聴力・柔軟性・状況把握力・規律性・ストレスコントロール力
「主体性」は、前に踏み出す力を構成する能力でしたね。
実は、残りの2つ「働きかけ」「実行力」これらも早くに身につけるべき能力なのですね。
つまり、「前に踏み出す力」を優先的に身につけていただきたい、ということなのです。
「働きかけ」が必要なその理由
「実行力」が大切、というのは字面を見ればなんとなく理解できる方が多いのではないでしょうか。
しかし、「働きかけ」とは一体、なんのことでしょう。
ピンとこない方も多いのではないでしょうか。

新入社員は、仕事においてまだまだ未熟な存在です。
だからこそ自分が「引っ張られて」「教えてもらいながら」仕事を進めなければなりません。
若手社員の主観で言えば「自分を引上げてくれる人を、自分の元に引き寄せる」必要がある、ということです。
これこそが「社会人基礎力」における
前に踏み出す力のひとつ、
「働きかけ」なのですね。
「社会人基礎力」、身についていますか?
新人の育成でもっとも大切なのは最初の1年、そして最低でも3年間は育成期間として育てていただきたい、ということは過去エントリで何度かお伝えしてきました。


この貴重な育成3年間でしっかりと「社会人基礎力」を習得できておりますでしょうか。ただ漫然と仕事を教えているだけでは不十分かもしれません。
また、「社会人基礎力」は、何も新卒社員、新人だけのものではありません。冒頭でもお伝えしている通り、社会人すべてが身につけるべき能力です。
実は身についていなかった、取りこぼしがあったなどあれば、いつでも振り返り、そこからしっかりと身につけていただければと思います。
▼2025年卒内定者・新入社員研修プログラム
そして弊社では、ただいま公開型の新入社員研修のお申込み受付中です。
まだ決まっていないという方はぜひこちらからご確認ください!
