新入社員、イキイキと働いていますか?フォロー研修のススメ

20220720

夏本番!新入社員の方は夏の暑さにもメゲず、イキイキと働いていますでしょうか。初めてのボーナスで、お盆休みには実家に帰って自分の成長を報告しようかな、と計画している方もいるかと思います。

しかし、上司の皆さま、彼ら新入社員をよくよくご覧ください。毎日イキイキと働いている人がいる一方、伸び悩んでいるな、疲れが出ているな、と感じる新入社員の人たちはいませんか?

今回は、新入社員へのフォロー研修の内容と、なぜ私が新入社員フォロー研修をお勧めしたいのか、について語りたいと思います。

目次

注意!早期離職のタイミング

ノートに書く人

新入社員に限らず、人のモチベーションには波があり、あって当たり前、という話は過去の記事でも語ってきましたが、そんな中でも、下がってしまったモチベーションを上げていくことができないまま、早期離職となる新入社員も存在します。企業にとって新入社員の早期離職は、他社員への好ましくない影響、人材コストの面からも絶対に避けたい事態です。

私の体感ではありますが、早期離職を考える新入社員が増える時期があります。それが、「8月」と「12月」「2月」です。
理由としては、

「8月」…お盆休みまでは頑張ってみよう、と我慢を重ねてきたが、休み明けのタイミングでどうしても出社の意欲が湧かなかった
「12月」「2月」…キリのいい年内までは頑張ろうと我慢していた

このあたりかと思います。

時期は違えど、人というのは、4月区切りの年度か、12月区切りのいずれかで区切りをつけたい、と考えるようで、早期離職の時期は「長期休暇」「暦のキリの良さ」で決まってくるのでしょう。
私もこの時期になると本音を話せる関係性を維持するために、コミュニケーション量を増やしておりました。皆さまはいかがでしょうか。

早期離職の芽を見逃さない!

無人の会議室

順調に成長し、日々頑張っている…と、思っていた新入社員からの、突然の退職願い、上司も同僚も、まさかそんなことを考えているなんて思いもしなかった…よくある話ではないでしょうか。

早期離職が多い時期、会社としては「突然」の退職願いに戸惑っているかもしれませんが、ではその新入社員は、昨日今日、いきなり離職を決意したのでしょうか。

もちろんそうではありませんよね。早期離職の「芽」は、実は申し出のそのずっと前からあったはずなのです。

「やっていく自信がありません」「退職を考えています」こういった申し出の時は、すでに心が決まっています。つまり、早期離職を防ぐには、申し出のずっと前からの対策が必要ということになります。

半年後のフォローアップを視野に入れる

研修

モチベーションの低下は、大体「配属から2ヶ月〜3ヶ月」で訪れます。

その企業によりますが、新入社員への新人研修に大体2〜3ヶ月、本配属は7月くらいから、という会社が多いかと思います。

本配属から約3ヶ月目、入社からちょうど半年が経過した「10月」、この時期に、何らかの対策、テコ入れをしてあげることで、早期離職につながる「芽」を摘みましょうと、大きな声で言いたいのです。

この時期のフォローアップ研修の効能は、なにも早期離職を防ぐだけではありません。すべての新入社員が「入社から半年間の振り返り」を行うことで、今までの成果と、これからの課題を明白にし、より意欲的に働くことにつながります。

ぜひおススメしたい「入社半年後のフォローアップ研修」、皆さまの会社は既に実施していますか?OJTがメインだからうちは必要ない!そうお考えの方も、一例として弊社が行っている内容の一部をここで紹介させていただきますのでぜひご一読ください。

フォローアップ研修!まずは振り返ろう!

研修

新入社員半年後フォローアップ研修で、
まず取り組むのは、「振り返り」です。

  • 入社して、想定通りだったのはどのようなことですか?
  • 想定外だったことは?
  • 今、思いつく自身の課題は?

このようなことをシートに書き込みます。
自分はいったい何を理解し、何がわからないのか、文字に書き起こすことで、自身への理解を深めることができます。
そして、そのシートを元にグループセッションをします。

半年間の体験共有を通じて、
「みんな同じようなことを思っていたんだな」「こんな考え方もあるんだ」同じ立場で同じ経験をした仲間と共感し合うとともに、違う考え感じ方を知ることもできます。手本にしたいこと、新しい気づきを得て、自分の現在の立ち位置を明白にします。
これら「今現在の自分」を理解したうえで、
次は「新入社員に必要な4つの機能」について確認していきます。

「新入社員に必要な4つの機能」求められる若手社員像

ビジネス相関図

組織の中において、若手に求められる役割行動というのがあります。

  1. 発動性機能…自ら自発的に行動する働き
  2. 恊働性機能…周囲と協力し合いながら行動する働き
  3. 本動性機能…やりがいを持って力の限り仕事に打ち込むという働き
  4. 確動性機能…責任を持って確実に仕事をする働き

以上、4つ。これは評価基準として、多面評価(360度サーベイ)などでも使われているので既に知っている方もいらっしゃるかと思います。

新入社員はこれらの役割を担っていくことが求められている、とまずは確認しましょう。

そして、自分は若手社員としてきちんと機能しているか、自分に足りないところはどこかをセルフチェックし、検討します。

4つの機能をプロットし、自分には何が足りないのか、優先すべき課題は何かを可視化することで、より具体的な対策を立てることができるようになります。

このセルフチェックとプロットは、研修終了後、上司と共有されます。自分自身はこういう人間だ、と思っていたとしても、上司や経験のある先輩の目には違う様に映っていることもあります。自身の評価と客観的な判断のズレもしっかりと確認することが大切です。

ここまでのプロセスで、新入社員は「自分に足りないもの」「これから取り組むべき課題」が見え、その過程で今後の仕事に対するモチベーションを取り戻してきています。

交渉力向上演習

ディスカッション

自分自身への理解と課題を認識した新入社員は、今後より自身の能力を向上させ、質の高い仕事への意欲が高まっています。

ここでインプットするのが、「周囲を巻き込んで仕事をする方法」です。

ひとりで悩みを深めていた人も、問題点を共有し共感し合うことで、仕事はひとりではなく「チーム」で行うものだと感覚的に理解しているはずです。

そこで、どのようにしたら周囲を巻き込み、協力を得ながら仕事を進めていけるかを学び、求められる新入社員としての能力を高めていきます。

この研修は、ロールプレイング方式で行われます。互いに違う、利益が相反する立場となって、それぞれの立場で交渉を進めていきます。

例)
交渉者A
あなたはアパレル会社のマーケティング部で働くマネージャーです。前のシーズンでは、売り場での商品の入れ替えを1回しか行わなかったところ、売上が前年に比べて15%も落ちてしまいました。そこで今シーズンは、商品の入れ替えを3回に増やすことで展開する商品の数を増やして、売上を伸ばしたいと思っています。しかし、現場のスタッフからは「人数が足りないので無理」と不満の声があがっています。どうにかして3回の入れ替えを受け入れてもらわなければなりません。あなたは現場の責任者と、どう交渉すればよいでしょうか?

交渉者B
シーズン中、これまでは1回だけの商品展開の変更でしたが、本社のマーケティング部が「今シーズンは3回変更したい」と言ってきました。商品をすべて入れ替えるのにはたいへんな労力がかかり、徹夜作業となります。現状はかなりの人手不足で、残業も非常に多い労働環境です。スタッフを守るためにも、そして退職者を出さないためにも、このマーケティング部のむちゃな要求を押し戻さなければなりません。あなたは本社の責任者と、どう交渉すればよいでしょうか?

ここで注意しなければいけないのは、これは決して「勝ち負け」の交渉術を磨く場面ではない、ということです。

交渉に必要なのは、相手の要求を突っぱね、自分の意見を100%通すことではありません。

互いの利益と、絶対に譲れないライン、そして双方の利益が最大になる「落としどころ」を探すことが、「交渉」だ、ということを理解するための研修です。

自分の「絶対に譲れないライン」を死守しつつ、相手の死守ラインも理解し、それらを守りながらも、譲れる部分は互いに譲る。
これを話し合いで決めていくロールプレイングは、今後の仕事において絶対に必要な「仕事とは何か」を具体的に体感させてくれます。

研修の本当の意義

花

新入社員フォローアップ研修は、半年間の振り返りの中で新入社員の課題を明確にし、対策を取ることも目的ですが、「振り返り」とは、なにも「できないこと」ばかりを考えることではありません。

長所と短所は時に表裏一体です。「ここは課題だけど、でもこの部分に関してはとても良かった」「この部分は期待される以上に成果を出せた」こういったことも、講師やグループセッションで明らかになっていきます。
ダメ出しをするばかりでなく、新入社員の良かった点に、自らが気づいていくことも大切なのです。

そして何より、この研修で伝えたいことは「ひとりで悩まないで」ということ。気持ちの分かち合いやロールプレイングを通じて、チームで働くことの意味と、見守ってくれる先輩や上司、共感してくれる同期と共に、一緒に成長していけるようになって欲しいのです。

研修の効果

弊社で提案している新入社員半年後フォローアップ研修を受講していただいた方から取ったアンケートの結果を見ると、ほとんどの方から「役に立った」「自分の課題が見えた」との感想をいただいております。

2021年度フォローアップ研修受講者の声

研修はあくまでも研修、受けた次の日から悩みが消えて無くなるわけでも、飛躍的に能力がアップするわけでもありません。しかし、「考え方」を学ぶことで、今後の悩みの持ちようを変えることや、取り組むべき課題を明確にすることはできます。

こういった「考え方」を学ぶことで、悩める新入社員から、より成長できる新入社員へ。モチベーションを維持しながら成長を続ける若手社員の育成、「新入社員フォローアップ研修」ぜひおススメします。

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