もう3月、あっという間に1年の1/6が終わろうとしています。いよいよ春、暖かい日が増えてきましたね。
この時季、皆さまにおかれましては年度末業務に追われていることかと思います。
そして春は入社の季節、新入社員の方々を迎えるのはもうすぐです。
新人育成の重要性、新社会人に向けた研修については何度も取り上げてまいりましたが、いくら「効果アリ!」と言われても、どんな内容が良いのかピンとこない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「リアル」をお届け!ということで、つい最近実施いたしました内定者フォロー研修の様子とその効果についてお伝えしたいと思います。
のぞいてみよう!内定者フォロー研修!
4月に入社する新卒内定者を対象とした内定者フォロー研修。
「社会人になるにあたって必要とされる仕事に対する姿勢や考え方を学ぶ」ことを目的とし、以下3つのテーマでグループワークを中心にオンラインにて行いました。
- 学生と社会人との違いについて考える
- 選ばれる仕事をするために必要な姿勢や考え方を学ぶ
- 仕事における業務と職務の違いを学ぶ
まず最初に行った「学生と社会人との違いについて考える」というテーマについて、以下のような意見が挙がってきました。
あなたが考える学生と社会人の違いについて
・学生は学ぶ場、社会人はアウトプットの場
・責任の重さが違う
・人間関係が変わる、上司と部下、先輩後輩の縦社会の関係性になる
・学生は好きなことができる、社会人は会社の責任も負うので重みが違う など
社会人になるにあたって素朴に感じる不安
・何もわからないことが不安
・人間関係が不安
・上司や先輩にどう接したらいいのかわからない
・わからない時の質問のタイミングがわからない
・生活リズムがつかめるか不安 など
第一の印象としては、皆さんの取り組み方が、とても「真面目」だということです。
もちろん仕事を始めるための第一歩として研修を受けている立場なので、緊張もあったでしょうし、普段の自然な姿とは少し違っているかもしれません。
ただ、Z世代といわれる今ドキの若者も、とても真面目で真摯な傾向にあります。これは皆さんも心に留めておいていただければと思います。
そして不安に感じていることも、私たちからすれば当然に感じることばかりでしょう。
誰しも新しい環境に対しては何らかの不安を持つものです。この不安は普遍的なものであり、私たちが通ってきた道でもあります。この新卒さんたちは社会人になろうとしている、ごくごく普通の若者たちということです。
不安に感じていることは普遍的なことですが、これらひとつひとつが内定者にとっては、大きな問題なのもまた事実。
これらの「不安」を「前向き」に変えていくことが、この研修のポイントとなっていきます。
グループワークで意見交換
次に「選ばれる仕事をするために必要な姿勢や考え方を学ぶ」という演習を行いました。
選ばれる仕事をするために
「選ばれる仕事をしている人は、お客さまに対してどのようなことや、どのような想いを大切に仕事に臨んでいるのか」というテーマでグループで意見交換をしていきます。
まだ学生の皆さんからすれば、身近な経験として、お客様の立場=自分たちが受けた接客シーンが多く、そこで出てきた意見としてはこちら。
・お客様や相手の気持ちになって接客ができているか
・受注や購入に至るまでに、お客様の話をきちんと聞いている
・自分の言いたいことが言えずに、店員さんのテンポで接客が終わるのは良くない
・相手の意見を聞きながら、どういう気持ちでお客様は来ているのかを知ることが大切
・そのお客さん個人だけではなくて、自分の行っていることは周りの方にもみられている
自分が顧客だった時のことを思い出しながらの意見交換をすることで、「相手の立場に立って行動する」という商売をするうえで大事な接客の基盤について自然と考えるようになります。
そして「仕事における業務と職務の違いを学ぶ」というテーマでは「業務」と「職務」とは何かについて説明した後、話し合いをしました。
各議題をテーマに出た意見をまとめたのはこちら。
理想とする職場環境
・コミュニケーションが円滑で、人間関係も良好
・自分のペースで仕事ができる環境
・先輩とのコミュニケーションは上下関係がしっかりありつつも質問がしやすい環境
・なるべくストレスがない環境
・ワークライフバランスがしっかり保てる環境で私生活もしっかりできる
確かにその通りな意見ばかりですが(笑)人間関係に関わる内容が多いのが特徴ですね。不安に思うことも人間関係のことが多かったように、社会人になるにあたって、職場の人間関係を懸念していると言えそうです。
会社が新人に期待する「職務」
・新人なりのやる気
・とにかく元気に発言することが期待されている
・挨拶などをしっかりする
・期限を守る
・メモを取る
・やる気がある
・新入社員としてのフレッシュさ、新入社員らしさ
実践すべき当面の「職務」
・元気な挨拶
・やる気を見せること
・素直さ
・報連相
・熱心さ
・とにかく期待されていることを実行する
「職務」というのは、会社から与えられた役割、会社から期待されている役目のことを指す、という話をした後に話し合いをしていただき、出てきた答えなので、新入社員らしい文言が並んでいますね。
ここは、ちょっと優等生発言が多いようにも(笑)感じられます。
職場の研修ですから、どうしても「求められる」答えをしてしまうものです。しかし、ある意味において社会人として当然の振る舞いでもあり、決してマイナス要素ではありません。
研修を終えて
研修プログラムを終え、内定者に振り返りを実施いたしました。
本日の研修プログラムは役立ちそうか
とても役立つと思う 68.4%
役立つと思う 26.3%
実に約95%の参加者が「役立つ」と回答しました。
以下、具体的な理由です。
・働く想像が広がった
・不安を安心に変えることができた
・社会人としてあるべきあるべき姿を言語化できた
・社会人としての心構えができた
・他の考え方や共感、コミュニケーションの経験ができた
・社会人として求められることが学べた
・グループワークで考えが広がり、共有することでモチベーションが高まった
講師に提出する感想ですので、少々割り引いて見なければいけませんが、それでも研修が大いに役に立ったと感じていただけたのではないでしょうか。
特に注目したいのは「他の人の意見が聞けて良かった」「働く想像が広がった」という点です。最初に抱いていた不安が、研修を通じて解決されていると言えるのではないでしょうか。
意見交換を通じて「共感」することが「今後に役立つ」と感じられるだけでも研修の意義はあるように思います。
研修の具体的内容に関する感想です。
研修を通じて得たもの
・不安に思っていることは皆、共通であることがわかった
・先輩や上司が求めることが明確になって安心した
・新入社員にはそれだけで価値があるという言葉に勇気をもらった
・積極的なコミュニケーションが大切だと感じた
自分なりに良かったところ
・自分の意見を持つことができた
・グループでの話し合いにしっかり参加できた
・相手の意見を理解することができた
・積極的に役割をはたすことができた
これらを見て思うのが、皆さん本当にしっかりと、真摯に取り組んでいるということです。今はまだ学生の立場であっても、社会人になるための研修というよい意味での緊張感と、積極性が感じられます。
研修、その本当の意義
ここまでご覧いただいて、皆さまはどのようにお感じになったでしょうか。研修は今後の業務に役立つもの、それは確かに必要かもしれません。
しかし、それよりも、もっと大きな成果があったのにお気づきでしょうか。
研修の始まりには「不安」を抱えていたのが、「安心」に変わり、そして「仕事に対するモチベーションがアップ」しているのです。
最後に得られた感想の
不安を安心に変えることができた
これこそが、この研修で得て欲しいことでした。新しい環境には誰しも不安を感じます。
今年の新卒さんたちは貴重な学生時代をコロナに奪われている世代です。
他者との交流の機会も少なく、自身の経験値に不安を感じている人が多くいます。できれば「不安」を解消して入社に臨んで欲しいものです。
不安は自分だけが感じているものではないこと、これを知るだけでも不安がぐっと減るものです。同じ立場の人間同士、気持ちを共有できることは、研修の大きな目的でもあります。
「不安に感じているのは自分だけではない、みんな誰しも不安」という部分にこそ、「安心」を感じるのです。
同期と「共感」することで「不安」を「安心」に変え、晴れやかな気持ちで社会人としての第一歩を踏み出していただきたいと心より願っております。
そして、内定者フォローアップにはもうひとつ、大きな目的があります。
社会人としての心構えができた
これが社会人としてのマインドセットになります。これも大きな目的であり、グループワークを通じ、学ぶことができました。
内定者の皆さんに贈る言葉
僭越ではございましたが、研修の最後に私からこんなお話をさせていただきました。
「あなたたちは、キラキラしてとても素敵です。新卒さんの最大の魅力はそこです。頑張らないと!って思うかもしれませんが、先輩達はあなたたちが元気に挨拶してくれるだけでパワーが出ます。本当に、もう最初はそれだけでいいのです。フレッシュさ、素直さ、それがあなたたちが最初にできること、職務です」
これを聞いた内定者の皆さんは、一様にホッとした表情を見せてくれました。
実際に、最初はこういうもの、だと思います。入ったばかりの新卒さんに即戦力を期待する会社はありません。
それでも新卒を採用するその理由は、「新卒社員の持つフレッシュさ、素直さ」に他なりません。
もちろん仕事を覚えるべく日々頑張っていただきたいのですが、新卒さんはありのままで、十分価値があるのだと本人に伝えることもまた、大切なのではないでしょうか。
研修は普遍的
いかがでしたでしょうか。コロナ禍に学生時代を過ごした内定者にとって、研修が大きな意味を持てたのであれば嬉しい限りです。しかし、これは何もコロナ禍だから有効だったわけではありません。
新卒のときなんて、誰だって不安になるもの、皆さんも自分の新卒時代を思い出してみてください。新しい環境はワクワクと一緒に漠然とした不安も抱えるタイミングでもあるのです。
そういう意味において、このような内定者へのフォローは、ある意味普遍的なものであり、どんな時代でも有効であるとも考えております。
そして何より、新卒さんを迎える会社が、新卒さんの不安を解消し、前に向かって欲しい!という気持ちが新卒さんの力になるはずです。
自分を採用してくれた会社は、自分の不安を解消しよう、応援しようと考えてくれている。これってとても大きな力になりませんか。
不安を解消し、会社からのエールを受け、社会人としての自覚を持った新卒さんは、きっと大きく羽ばたいてくれることでしょう。
今回は内定者フォロー研修の内容を紹介いたしましたが、なにも高額な費用をかけなくても、時間を使わなくても、人事の方から
「みんな最初は不安なもの!でも大丈夫だよ!皆さんが元気で素直に、わからないことは何でも聞いてくれれば、それだけでいいんだから!」とお話しされるだけでも構いません。会社として是非!新卒さんの不安を安心感に変えていただければと思います。
ここまでお伝えした内容で、研修の必要性を改めてお感じになられた皆さまにお知らせです。
弊社では4月以降の新人研修プログラムを多数ラインナップしております。
是非、ご検討いただければ幸いです。
内定者フォローや新入社員研修は新人のミカタ!不安を安心に変え、社会人としてのマインドセットを促します。