続「上司」として「部下」へのコミュニケーション、「もう一歩!の言葉」とは? ver. 2024

20240722

今年の夏は暑くなりそうだ…との予想どおり、東京は暑い日が多いようですね。
皆さまもお身体には十分お気をつけください。

私はカナダのモントリオールでの生活に入っております。

こちらは昨年と比べて天候もよく、気温は20~28℃と大変過ごしやすい気候です。
皆様に少し申し訳ないような気持ちにもなりつつ、充実した毎日を過ごしております。

ただいま、こちらで子どもの行動の変化をキャッチしながら、新規事業構想をカタチにしピッチ資料に落とし込む作業を行っています。
帰国後にくわしく、こちらでの生活についてもご報告いたします。

前回は部下から上司へのコミュニケーション術について、最新情報をお届けしました。

今回は上司から部下へのコミュニケーションについて、最新の動向を追ってみましょう。
上司から部下へのコミュニケーションについて、以前の記事もあわせてご覧ください。

部下から上司へのコミュニケーション術の記事と同様に、上司から部下へのコミュニケーションについての記事もよくご覧いただいています。
皆さまそれぞれの関心事や課題に照らしながら、ご一読ください。

目次

コミュニケーションは手段!でも…

バッグを持って歩く人

上司・部下間のコミュニケーションに関する記事がたくさんの方に届いた理由、それは、
「上司、部下の関係性、コミュニケーションに不安を感じている方が多いから」ということにほかならないと思います。

いずれか一方の問題ではなく、双方が難しさを抱え、相互に悩んでいるわけです。どちらか一方が悪い、という話ではなさそうです。

そして、ひとつの解決手段は
「コミュニケーションの手法そのものを変えてみる」ことです。


頻繁にご紹介している「ソーシャルスタイル理論」は、誰も簡易に取り入れることができ、効果の高い方法ですので、お試しいただければ幸いです。

以下の記事でご紹介している部下への指導方法もあわせてご確認ください。

これらの手法は、「相手によってコミュニケーションの方法を選んでいく」ものです。

きちんと活用できれば、これだけでコミュニケーションの問題は大方、解決するといっても過言ではありません。
まずはここから始めていただくのが良いでしょう。

しかし、いまお読みいただいている方のなかには、「コミュニケーションの手段を変える」ことに抵抗を感じていらっしゃる場合もあるかもしれません。決してそんなことはありませんが、まるで自分を偽っているというお気持ちになる方もいらっしゃるようです。

「手法やテクニックではなく、もっと人間的に、相手と距離が近くなるというか…心が寄り添うようなコミュニケーションを知りたい」と感じる方ーそうですよね。お気持ち、お察しいたします。

そこで今回は「手段」「手法」ではなく、もっと簡単な、部下との距離を縮められる、いわば上司としての言葉かけのコツのようなものをご紹介しましょう。

「理想の上司像」その実態と現実

グラフ

まずはこのランキングをご覧ください。

あなたにとって理想の上司像として、特に当てはまるものを5つまで教えてください(複数回答)

  1. 気軽に相談しやすい
  2. 感情的にならない
  3. 仕事について丁寧に教えてくれる
  4. 部下に優しい、面倒見が良い
  5. 立場関係なく、意見を聞く姿勢がある
Z世代の理想は「友達のように接してくれる」上司。1,000人に聞いた、働き方に関するリアル|僕と私と株式会社プレスリリース 2024年4月11日

Z世代にとって理想の上司、トップ5すべてが「コミュニケーションに関すること」です。

「経験、知識がある」「リーダーシップがある」など、仕事の出来よりも、「コミュニケーション」の方が重要と思われているのです。

この結果にどのような感想を持たれるでしょうか。うまく部下とコミュニケーションを取れていて上手くいっているという方もいらっしゃると思いますし、中にはショックを感じる方もおられるかもしれません。

チームを引っ張る強さも、仕事をバリバリとこなし部下を鼓舞することも、
「お疲れさま、よく頑張ってるね、困ったことはない?」の一言には勝てない、ということなのかもしれません。

まずは、「部下が上司に求めるのは、コミュニケーション」ということ、しっかりと心得ていただきたいのです。

「理想」を語る部下の思い

このランキングのもう一方の側面に注目してみましょう。

こういったアンケートに答える際、皆さまならどのように考えを巡らすでしょうか。おそらく自分の現状を思い浮かべながら答えを出すのではないでしょうか。

「自分の上司は…でも本当はこういう人が上司だったらいいのにな…」といった具合です。

つまり、アンケートによくみられる「理想の◯◯」とは、現実には決していない、まさに夢の存在として語られることが多いのです。

理想の上司像というアンケートをとると、上位に芸能人やスポーツ選手が入ることは皆さまもご存知だと思います。しかし、大谷選手やHIKAKINさんの人となりをくわしく知ることはできません。完全にイメージだけで答えています。それは聞く方も答える方も重々承知のはず。

それらと同じく、このアンケートで語られる「上司像」もまた、いるはずのない、部下の心の中だけのイメージということですね。

このアンケート結果を見て、自分はとてもじゃないけどこんな上司を目指すことなどできない、そんな上司いるわけない、と思った方、ある意味あなたは正しいかもしれません。

そんな上司はそうそういないですし、こんな人であり続けることは現実的には難しいもの。あまり心配しないでください

「イメージ」を捉えてみよう

BOSSという文字のモチーフとクリップ

そうとはいえ、上記のような上司像が理想と思われているのは事実なわけですから、このイメージを使わない手はありません。
ありもしない上司像に振り回されるのではなく、このイメージをこちらから積極的に使っていきましょう。

現代の部下たちの理想の上司像、具体的にはどのような人物を思い浮かべるでしょうか。

・気軽に相談しやすい
・感情的にならない
・仕事について丁寧に教えてくれる
・部下に優しい、面倒見が良い
・立場関係なく、意見を聞く姿勢がある

なんとなく、のイメージで結構です。

例えば「フレンドリーで友達感覚」「穏やかで優しげ」「対等な物言いを許してくれる」人などでしょうか。

「指導」ではなく「対話」

引用元のプレスリリースにもあるとおり、今の若者は上司に対して、強いリーダーシップや決断力といった強さを一番には求めていません

それよりも、同じ目線を持った対等の仲間として当たり前の気づかいと優しさが求められているのです。

指導力のある、強いリーダシップを持つ上司とはどのようなものでしょうか。
即断即決、強い言葉と姿勢で部下を鼓舞し、的確に指示を出すーこのようなイメージを持つのではないでしょうか。

一方、若者が理想とする上司像はどうでしょうか。

  • 相談できる
  • 優しさ
  • 対話

このようなものでしたね。

強いリーダーシップ型の上司と若者たちの理想の上司、コミュニケーションにおいて大きく違う点があることにお気づきでしょうか。

部下の話を聴きましょう

ミーティング

強いリーダーシップを発揮し、的確な指示をビシビシと飛ばす、デキる上司。
指導力もあり、私たちを引っ張ってくれる…

あくまでもイメージの話だ、と前置きをしておきますが、こういった上司とのコミュニケーションは、おそらく指導」「指示になることが多くなるのではないでしょうか。

「指導」や「指示」は、もちろん仕事では必要なことです。
内容が的確であることも大切です。いざ困ったときにリーダーシップは有効に働きます。
しかし、これらに足りていないものがあります。

それは対話です。

部下たちの理想の上司像

  • 気軽に相談できる
  • 立場関係なく、意見を聞く姿勢がある

これらのイメージからは「指導」「指示」にはない、相互に話す要素が含まれています。

「指導」「指示」は、あくまでも上司から部下への一方的な言葉の投げかけになることが多くなるでしょう。しかし、部下が求めているのは、対話、もう一歩踏み込んだ言い方をすれば「聴いてくれる」ことなのです。

もう一歩!の言葉でコミュニケーションを!

メンターとメンティー

「部下としっかりと対話しましょう」と書くと、それは当たり前の心得だよね?と思われてしまいます。

もちろん対話は大切なことですが、
「部下の話を聴く」。
まずはこれを、これだけを意識していただきたいのです。

喋りに自信がない、雑談が苦手という方は、
「何か聞きたいこと、言いたいことない?」と付け足すだけでも全く違います。
とにかく部下の話を聴いていただきたいのです。

部下に対する言葉かけのちょっとしたコツなど詳細は、以下の記事でもご紹介しています。

たとえば部下に業務を命じる場面における「この資料を作っておいて」「わかりました」という言葉の往復。
部下の何気ない「わかりました」に思われても、部下の人数分の「わかりました」があります。

「他の業務が忙しいのに」
「明日まで作ればいいかな」
「どうして自分がやらなきゃいけないんだろう」

これらの部下の思い、言い分には、部下なりの感情・事情があります。
そこで、「この資料、何に使うかわかる?」という一言を添えることで、部下が仕事の意味を理解しているか、誤解がないか、不満を募らせてはいないかがわかるかもしれません。

理解していなければその場で伝えることができます。そこで成長するのです。
不満があるのであれば理解し、改善できるかもしれません。
思い違いをしているのであれば誤解を解くことでコミュニケーションの質が上がるかもしれません。

まずは上司からの
「もう一歩!の言葉」。
そして「部下の言い分を聴く」こと。

これらを心がけることで円滑なコミュニケーションを図ることができるようになります。

「もう一歩!の言葉」と書いて貼りましょう

コルクボードに張り紙

一言添えて話を聴くのであれば明日から試すことができるかもしれないと思っていただければ大変嬉しく思います。

本当に簡単な心がけでできるこの方法。
とても簡単でかつ、効果的なのでぜひ取り入れていただきたいと思っているのですが、方法が簡単であればあるほど、浮かび上がる欠点があります。

「人は忘れてしまう」のです。
どんなに簡単な方法でも、実践できなければ意味がありません。
そして、簡単だからこそつい忘れてしまうのです。

ですので、付箋に「もう一歩!の言葉」と書き、パソコンモニターの上に貼り付けていただきたいのです。

最初は、「ああそうだった」「しまった忘れていた」の連続かもしれません。しかし、心がけていくうちに習慣となり、身についていきます。
非常に原始的な方法ですが、付箋にして貼る!スマホの待ち受けにする!何でも結構ですので、目に付く場所に「もう一歩!の言葉」と、ぜひ書いてください。

上司から部下へのコミュニケーションとは多くの方がお悩みの課題ですが、何も饒舌にならなくても、理想の上司を目指さなくても、あと一歩の言葉と、話を聴くことで多くのことが解決できるはずです。

その他、部下のタイプ別コミュニケーション方法や、部下の成長を促すコミュニケーション術など、多くの研修がございます。お困りの際は弊社㈱Tenmaruまでご相談ください。

社会人基礎力研修のオンライン講座をご希望の企業さま・受講者の方がいらっしゃいましたらぜひ、ことらもお問い合わせください!

部下/後輩との円滑なコミュニケーション術
初めての部下・後輩育成

コミュニケーションの神髄は「聴く」こと。
もう一歩!の言葉で円滑な関係を目指しましょう。

円滑なコミュニケーションは組織づくりの屋台骨です。Tenmaru流コミュニケーション術でより良い組織を目指しませんか?

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