年明けから次年度まで、1月から3月までの間というのは、時間がとても早く流れるなと感じます。ついこの前、年が明けたような気がするのにもう2月。今週末は節分ですね。もうすぐ春を迎えるなんて信じられない気持ちです。
春は出会いの季節。新卒社員さんが希望を胸に入社してきます。せっかくご縁あって採用した貴重な人材、大きく育てて会社の戦力になっていただきたいものです。
「育成」の大切さについては、これまでもっとも多く取り上げてきたテーマです。
今回は育成における「相性」と「安心感」「マインドセット」の大切さを今ドキ事情もからめてお送りいたします。
改めて問う育成の重要性
育成が大切だ、なんて言われても「そうですね、新人さんは育てないといけませんね」と、何となく「良きこと」とは感じている方が多いかと思います。
しかし、本当の意味での「育成」の意義をご存知の方はまだまだ多くはない気がします。
新卒人材を採用しよう、と考えるのはなぜでしょうか。それは会社で戦力になってもらいたいからですね。では、つい昨日まで学生だった人が、採用のその日から成果を出せるでしょうか。
こう考えていくと、「育成」がなければ、採用の意味すらなくなる、ということがご理解いただけるかと思います。
そして、多くの採用・育成担当者さまは、次にこう考えます。
「現場で仕事をしながら仕事を覚えていって欲しい。これが育成」
果たしてそれは最適解なのでしょうか。
OJTの難しさ
OJT-「On the Job Training(オンザジョブトレーニング)」は、多くの企業さまで取り入れられている育成方法です。
現場で育成していくOJTは、仕事を進めつつ新人を育てることのできる、一見すると良いことばかりの育成法のように思われます。
もちろん、OJTには
「新人の成長と企業の業績の一石二鳥」「コストが比較的かからない」という大きなメリットがあり、多くの企業様に取り入れられているのも納得です。
しかし、OJTには課題もあります。
OJTは、「監督者」が、育成当事者を担当することになります。直属の上司や先輩などが当てられることが多いでしょう。
有能で頼りになる先輩に指導され、現場でもまれて一人前になる…新人さんの成長が期待できますね。
しかし「有能で頼りになる先輩指導者」が、どこの職場にも必ず存在するのでしょうか。
もちろんOJTのメリットも、成功事例もたくさん存じております。弊社でも業務でOJTを扱っておりますので、よい育成手法のひとつだと認知しております。
しかし、この「有能で頼りになる先輩指導者」の資質頼りになってしまう、というところは、OJTの大きな懸念事項。
費用をかけて採用し、大切に育てていきたい新人さんが、どんな先輩指導者がつくかで行く末が左右される、というのは、あまりに確実性に欠けるのではないでしょうか。
「育成」会社の関わり方
「弊社は現場仕事が多い職種なので、育成は主にOJTで実施しています。」
と、おっしゃる担当者さまも多いのですが、会社によってその実態はさまざまです。しっかりと新人育成のノウハウを持った指導者がチェックリストを元に指導する会社もあれば、単に先輩に同行させて現場に出すことで仕事を覚えなさい、という会社もあるでしょう。
たとえ現場仕事が多い職種だとしても、新卒社員を採用したのは会社です。仕事の現場に何も知らない新人さんを送り出し、あとはヨロシクと丸投げになってしまうような「育成」ではなく、雇用主として主体的に育成を考えていただきたいのです。
そうは言っても会社の規模的に体系的な育成は難しい、費用をかけた大掛かりな研修はできない、という企業さまも多いことでしょう。
育成の大切さは理解しつつも、やはりOJT主体で行います、というのは決して間違っているわけではありません。
OJT指導者や教育担当者が、自分の経験をもとに個人で工夫をしてあれこれ新卒社員を育成していく方法は、その人の資質頼りとなってしまうとのお話をしました。
では「個人の資質」とは何のことを指しているでしょうか。
「相性」を考える
「個人の資質」とは、もちろん質の高い低いを指す言葉ではありますが、もっと広い意味において、人格や性格的な特性を指す言葉です。
言い換えると「能力性格を含む、こんな人」ということになるでしょうか。
仕事がバリバリとできる優秀な先輩は、確かに優秀な社員ではありますが、それが「良き教育担当者」となるかと言えば必ずしもそうとは限りません。
ぐいぐいと引っ張っていく先輩を頼もしいと思う新卒さんもいれば、強引で付いていけないと感じる人もいるかもしれないのです。
逆に、仕事では少々頼りない先輩だからこそ、不安いっぱいの新卒さんに寄り添う指導ができることもあるでしょう。
つまり、優秀かどうか良いか悪いか、ではなく、「その新卒社員に合うかどうか」が重要ということなのです。
新卒社員の不安
では、今度は新卒さんの気持ちになって考えてみましょう。
今期の新卒さんは、学生時代のほとんどをコロナ禍で過ごしてきました。
学校行事やアルバイトができなかったのはもちろんのこと、学校の授業ですらオンライン、人との直接的な交流の経験が乏しい傾向にあります。
しかし、経験が少ないことが直接的な問題ではありません。乏しい経験は今後積んでいけば良いだけです。
「経験が少ないことで自信を失っている」ことこそが、問題なのです。
右も左もわからない、自信につながる経験も多くない、そんな中、「この人に付いていって」とまだよく知らない先輩に丸投げされる…新卒さんにとって多少の期待を持ちつつも、初めてのことだらけで不安しかない状況というのは想像できますね。
新卒社員に「安心感」を!
そんな今期の新卒さんに、ぜひ取り入れて欲しいのが、「対面での研修」です。
特に経験の乏しさから自信を持てない新卒さんに、仕事を始める前の、本当の第一歩、挨拶のしかた、名刺交換の方法などをリアルな対面研修で行っていただきたいのです。
新卒さんは、リモートでのやり取りには非常に慣れており、オンライン研修との親和性も非常に高いのですが、だからこそ!あえての!対面研修を必要としている人もいます。
オンラインは優れた手段なので、弊社でもオンライン公開研修を実施しますが、リアルでしか得られないものがあるのも事実です。
だからこそ今年は弊社でも対面での公開研修も実施することにしました。
目の前にいる生身の人間を対象とした名刺交換や挨拶の仕方などは、やはり対面の方が適していると言えるでしょう。
人と接する経験が少なくて怖いと感じている新卒さんは、研修での体験を通じて
「やり方がわかった」「経験を積めた」という「安心感」を得ることができます。
また、対面での研修は「社会人のマインドセット」にも非常に有効です。
社会人としての自覚を持ち、ビジネスマナーなどの基本を対面で学ぶことは、いわば「儀式」のような意味合いを持つのです。
新卒育成、おすすめポイント
いかがでしょうか。育成については何度もお伝えしておりますが、今回お伝えしたかったのは
「教育担当者と新人さんのマッチングが大切」
「こんな時代だからこその対面研修の重要性」
ということでした。
育成についての基本的なことは変わらずとも、時代によって状況は変わり、年次ごとの新卒さんにチューニングしてくことが大切だと感じています。
皆さまのところにご縁あって来てくれる新卒さん、大きく成長していって欲しいものですね。
新入社員研修と教育担当マッチング相談会のお知らせ
さて、今回のお知らせはこちらです。
「内定者・新入社員研修プログラム/社会人の基本導入編/ビジネスマナー研修」
2024年4月2日(火)13:00〜17:00
研修会場/秋葉原
(お申し込みいただいた企業さまに会場をお伝えします)
社会人としての心構えと日常的な所作を学ぶ、まさに基本の「き」にあたる研修です。対面だからこその緊張感と達成感、そして社会人としての自覚を促す、研修1回目にふさわしい内容となっております。
ビジネスマナーの教育は社内ですべて賄っている、OJTで対応しているという企業さまも多いかと思います。
また、新卒社員が少数のため、外部講師を呼んでの研修は現実的でないという場合もあるでしょうか。
しかし、だからこそ、最初の1回は対面で社会人としてのマインドセットをおススメします。経験に乏しく自信の持てない新卒さんに事前の研修で安心感を持って入社していただきましょう。
1名さまより受講可能なので、会社規模に関わらず参加いただける「社会人の基本導入編 ビジネスマナー研修」、ぜひ取り入れていただければ幸いです。
オンライン研修とセットでのご受講で、さらに新卒さんの可能性を引き出します。
そしてもうひとつ、
教育担当者さまと新人さんのマッチングに関する相談会を実施いたします。
期間は2024年2月2日~3月15日のうち60~90分間程度
オンライン(Zoom)にて無料実施
教育担当者と新卒人材の特性から相性を見極め、より効果的に教育・マネジメントができるかかわり方を探るためにご相談を承ります。
新卒採用において、「教育担当者を誰にするか」はとても重要です。しかし、その重要性に気づいていない企業さまがとても多いように思われます。また、その重要性を感じても対処が難しいとお考えの企業さまも見受けられます。
そんな「教育担当者さまと新人さんとのマッチング」に関する相談をお受けする相談会です。アセスメントツールの活用や一人ひとりの強み・特性を引き出して活かすマネジメントのアドバイスをいたします。人材アセスメントツールを用いてより「相性の良い」マッチングを目指していきましょう。
組織は人材がつくり、人材は育成で成長します。Tenmaruは、組織を「人」から育てます!