新年度がスタートしました。皆さまの元にも新卒さんは入社して来ましたか?進級進学など、この時期は皆、フレッシュな気力に満ちているのではないかと思います。
年度がわりで新しい環境でチャレンジする方も多いのではないでしょうか。私、諸戸はすべての挑戦する人に、その人らしく輝いてほしいといつも願っております。
さて、今回は私のライフワークに関する話をさせていただきます。女性にもっともっと活躍して欲しい!そんな内容です。ではどうぞ!
女性エンパワメント・キャリア・サミット2023を実施いたしました!
私のライフワークのひとつに、「女性にもっと活躍してほしい!」というものがあります。
仕事を頑張りたい、家庭を大切にしたい、価値観は人それぞれですが、自分が納得した「生き方を選ぶことができる」ことが大切なのではと考えております。
そして、今回、その中でも「働きたい」という女性、キャリアを築きたい女性を対象に去る3月8日にイベントを開催しました。
現在米系資産運用会社でチーフ・コンプライアンス・オフィサーとして活躍され、私が尊敬する王堂るみさんの声掛けのもと、集まった素晴らしい運営メンバー10名が中心となってそれぞれの「キャリア」についてのセッションを行いました。
そして私、諸戸も、昼の部の「働きやすい」のアイデアを出すトークセッションと、夕方の部「ワークライフバランスと私たちのキャリア」のセッションに、運営メンバーとして参加させていただきました。
もともとこの企画は、どうしたら女性がもっと働きやすくなるのかを考えるなかで、「うちの会社ではこんな提案で働きやすくなった」という成功例、「こんな制度あるよ」などを出し合い、それらをまとめたものホワイトベーバーとしてまとめられたら、それを会社に持っていきやすいよね、というアイディアから始まりました。
ホワイトペーパーがあれば「他の会社はこのような取り組みをしています」「女性から見た時にこんなニーズがありますよ」という、具体的な発信、提案ができるのではないかと考えたからです。それを昼の部のオープニングテーマとしておきました。
また、ワークライフバランスの話も議題になりました。そこでこのテーマは夕方の部のセッションになりました。ワークライフバランスには2つのケースがあります。
子育てなどは「期限付きケース」になります。
子どもが巣立てば自分の使える時間はまた多くなるが、今、この時点では時間的制約がある―
子育てなどに関する「困りごと」「自分で工夫している取り組み」「プレママ、育休ママの不安」「仕事を続けるうえでの不安、不満」「アイディア、成功例」などのアンケートを取り、答えを模索しつつアイディアを出し合い、シェアしていきましょう、という内容でした。
持病や介護などは「期限なしケース」。
時間的制約などは子育てなどと同様ですが、期限がないぶん、恒久的な対策がとなり、それに対する会社の制度や取り組みなどを運営メンバーからシェアしていきつつ、コメントのチャット欄で参加者の意見もきいていくスタイルです。
夜の部では50歳でのキャリア形成についてがテーマです。
この年代になると、やはり専門性が求められるもの。そのために30代40代のうちにどんな準備ができるのか
自分のやりたいことの実現に向かうために何ができるのか
などをグループディスカッション形式で一緒に考えていく内容となっておりました。
実際に素晴らしいキャリアを築いた方々が、50代を迎えるまでにどのように考え、動いてきたのかを伝え、皆さんの考えをまとめる助けになりました。
参考にしやすいアンケート結果
ここからは私が担当した夕方の部のライフワークバランスを加味したキャリア形成を考えるセッションをもとにお話をさせていただきます。
こちらが事前に皆さんからいただいたアンケート結果です。
前半部分「期限付きのケース」のセッションでは、家庭と仕事の両立、特に育児との両立についてに関する内容が多かったのですが、社会を変える!のような大きな話ではなく、実話ベースのアイディア、具体的なエピソードが集まり、より実践的な、誰でも参考にしやすい内容となっているかと思います。
また、後半部分の「期限なしのケース」のセッションでは女性特有の困りごと、悩みなども多く寄せられました。
その中において、例えば生理休暇の話などは、私自身とても考えさせられる内容でした。
会社に「知ってもらう」ことの大切さ
というのも、私自身、生理についてさほど辛い経験をしたことがなかった、というのがあります。同じ女性なのに、その大変さに気づいていなかったのです。
女性同士でも、置かれる状況によって理解の深度は異なります。これは本当に難しい問題だなと感じました。
生理休暇は法律で決められた権利であり、女性を守るはずの制度なのに、活用しにくい環境にあり、それに対する配慮も進んでおりません。
理由はいくつかありますが、上司が男性だと言い出しにくいなどが挙げられます。
そういった女性特有の事情や病気などへの理解と配慮を会社として進めていってもらうにはどうすれば良いのか―
女性が働きやすい環境を目指し活動しているコンサルタントの方は
「このような制度を作って欲しい」「こういった理解を進めていきたい」
これら会社に対する提言を、女性からもしていくことが大切だ、と語っておられます。
また、厚労省では女性活躍に熱心に取り組む企業の認定(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)を実施していますが、この制度自体もあまり知られていない現状があります。
認定を受けている企業はもちろん素晴らしいのですが、認定を受けていなくても数々のアイディアを積み上げ、効果的な取り組みをされている企業もたくさんおられることがわかります。
こういったアイディアをシェアしつつ、ディスカッションの中から新たな取り組みも提案されました。
例えばSNSなどを利用し、会社にどのような提案ができるのかを考えるプロジェクトなどがあっても良いかもしれません。
ひとりで悶々と悩んでいても始まりません。悩みやアイディアを共有しつつ、女性自らが提案していく、これが大切なのかな、という思いを持ちました。
女性特有の悩みやニーズは、女性の意見から!ということですね。女性活躍に取り組みたい企業にとっても、これは良いことなのではと感じます。
家庭との両立問題
女性の活躍を語るうえで必ず話題にあがるのが、「家庭との両立」ですよね。でもちょっと待ってください。これってすでにおかしい話だとは思わないでしょうか。
家庭を持っているという事情は、男性も女性も同じなはずです。しかし、「家庭」のことを第一にに考えているのが女性、ということに疑いを持っている方は少ないでしょう。この意識は男性ならずとも当の女性ですら、そう思い込んでいる方が多いかもしれません。
そこで今回出たアイディアに、
「保育園などからの連絡を受ける先をお父さんにする」というのがありました。
子供が急に熱を出した!こんな時、夫婦での話し合いの結果、どちらかがお迎えに行くことになるでしょう。しかし、実際にはお母さんひとりが電話を受け、ひとりで判断し仕事を抜けてお迎えに行くケースが大半なのが実情です。
そこで、まずは第一連絡先をお父さんにすることで、家庭に起こった問題に対しての「当事者」になり、自分事として一緒に考えてもらえるのでは、というアイディアなのですね。
これは実践的かつすぐに実行できる、簡単だけど効果の高い方法だと思います。
要するにお母さんが仕事を抜けることが悪いのではなく、仕事と家庭の両立に対してお母さんだけが悩んでいるのが問題なのです。同じ家庭を築いている対等な同士であるはずなのに、です。全国の お父さん、お母さん、是非参考になさってください!
その他にも仕事と家事の両立に悩んでいる方に対しては、「苦手なことを頑張らない」「できる人がやる、夫にお願いする」「お金で解決できることはお金で何とかする」などの意見もありました。家事ができないことに罪悪感を持つ必要などないのです。やれる人がやればいい!働いたお金で積極的に解決していく!これも女性が心おきなく働くコツかもしれません。
次に活かせる反省点もアリ
たくさんの素晴らしいアイディアを共有でき、成果もあった今回の取り組みでしたが、私自身の反省点もありました。
子育ては母親のものではなく、夫婦の共同作業だ、というのは今やスタンダードな考え方になりつつあり、理解の進んでいる父親も多くなってきています。
しかし、そんな環境でも、やはり以前の価値観を捨てきれない、無意識下では「子育ては母親が主体となってやるもの」という思いを持つ方も多くいるのが現状です。
その「考え」「思い込み」が悪いことではありません。人の価値観はそうそう簡単に変わりませんし、育った環境によって考え方は人ぞれぞれです。
また、同じような価値観を持つ女性もまだまだ多くいます。
「あの家のお父さんは子育てをよく『手伝って』いて偉いわね」なんて言う女性には皆さんも心当たりがあるでしょう。「手伝う」という言葉が違和感を感じてしまうのは「女性のキャリア」を主体的に考えたいと思うからこそ生まれてくる感情だと思います。でも、もし自分の子どもが同じような立場に立ったとしたらいかがでしょう。これからの女性活躍推進の時代には少し時代遅れ感が否めません。
考え方をアップデートできないのは何も男性ばかりではなく、女性側にも言える問題なのですね。
こういった、なかなか変わることができない価値観を持つ人に対して、どのような取り組みが有効なのか、このあたりの深掘りができなかったな、と反省しております。
理屈ではわかっているけど…というのは誰にでもあることです。そんな悩めるお父さんを追いつめることなく、ともに歩むことのできる家庭、社会になれれば良いですね。
まだまだ女性が活躍できない現状
たくさんのアイディアと現在の問題点が挙げられた今回のイベントでしたが、やはり女性が活躍できない現状があるのだな、と感じさせられました。
子育て中の方が社会復帰を考える際、仕事から遠ざかっていた時間を悩み、キャリアの断絶によって自分の能力に自信を失っているという現状についても話し合ったのですが、
子育て前にバリバリ働いていた方が、子育てを経験したからといっていきなりその能力が消えるなんてことがあるのでしょうか。手法や知識のアップデートは必要かもしれませんが、元々持っていた根本的な能力は変わりません。むしろ、子育てという大仕事をしたぶん、成長していると言ってもいいはずです。
しかし現状は、「自分は何もできなくなってしまった」と思っている。思わされてしまっている。
こういった問題を解決するには、やはり「思い込み」をなくすことなのかなと思うのです。
良かれと思って言ったことが無意識下で女性の活躍を妨げるものであったり、女性は、自分が女性であるがゆえに「自分は、こう」と決めつけてしまったり…
アンコンシャスバイアスの問題が深く関わっているように思います。
これらの「無意識下での思い込み」は、日本が古くから持つ社会構造や、旧時代的価値観からもたらされたものなのでしょう。やはり最後は社会を変えていかなくてはならないのです。
今後も女性が活躍できる社会を目指し、活動していければと思います。
さあ、動き出そう!
今回のイベントを機会に、自分達でも何か活動をしたい、会社に働きかけたい、と感じ、実際に新しい取り組みを始めた女性達が出てきてくれています。とても嬉しいことです。
しかし、「何かしたい」と思っていてもひとりではどうすればいいのか、と考える方も多くいるかと思います。
社内で同士を募り、活動を始めるのも素晴らしい活動ですが、気持ちはあれど何をすればいいか迷う方、ひとりでもできることから始めたい方、是非私たちの取り組みに参加してみませんか?
というワケで恒例のお知らせです。
このたび、女性活躍を応援するありとあらゆるものが揃う、いわばデパートのようなものを作ろう!との取り組みを始めました。
名付けて “WEDJ-women empowerment department Japan” です。
ここに来れば女性の活躍に関する問題について、いろいろなことが相談、解決できる!女性がもっと活躍できる社会にするための活動を活性化していく!
そんな場所にできればいいなと考えております。
そして、今後の活動内容を話し合うべく、オープンチャットで意見交換をおこなっております。どなたでも匿名で参加いただけますので、同じ思いを持つ女性の方、是非、参加をお待ちしております!
すべての人が活躍できる社会を!企業を!
Tenmaruは誰もがワクドキで輝ける会社を創るお手伝いをさせていただきます。