もうすぐ11月も終わろうとしています。師走突入ですね。
私としても、今月が期末なので今期の最終仕上げと、来期に向けて事業計画をたてている最中です。一年があっという間に過ぎてしまうなと感じているのですが皆さまはいかがでしょうか。
さて、今回は「ストレスとの上手な付き合い方」についてのお話です。
特に若手社員にこそ知っていて欲しい、自身のストレス要因の把握とその対処法。
考え方の「コツ」のようなものを掴めれば、今よりもずっとラクにストレスと付き合っていけるはずです。ではどうぞ!
若手社員とストレス
現代はストレス社会、なんて言われて既に四半世紀以上の時が流れている気もしますが、特に最近はストレスに対処できない若者が増えた…との印象を持たれるかもしれません。昔の方が大変なことが多かったのに、最近の若者は根性が足りん、などと思う方もいるでしょう。
このような仕事をしていると、こういった声もちらほら聞こえてきます。
確かに現代は昔よりもずっとストレス要因が少なくなっていると思います。電話に出る前に相手が誰かわかりますし、スマホを通じて誰とでも直接連絡を取ることができます。学校に友達がいなくてもインターネットで同好の士を探すこともできます。
つまり、嫌いな人とは関わらずにいることが昔よりも容易なのです。 にも関わらず、現代の方がストレスで壊れてしまう人が多いように感じるのはなぜでしょう。これはやはり場数、ということになりますでしょうか。 友達と連絡を取るために家の固定電話に電話し、親御さんとやり取りしてきた我々の世代と比べ、「相手を選べない」コミュニケーションに不慣れなのです。
これはとても良いことだと思う反面、会社というのは「相手を選べない」コミュニケーションしか無い場所、とも言えますので、若者にとってはストレスをより感じやすくなってしまいます。 若者はストレスにことさら弱い、わけではなく、「ストレスを避けられないことに弱い」と言えるのかもしれません。
ストレス要因を自分の意思で遠ざけることができた学生時代と違い、社会に出ると、否応なしにストレスと向き合わなくてはなりません。
ストレスについて考える
そうです、大前提として、仕事をする上で「ストレスは避けられない」のです。 ではストレスと上手に付き合っていくためにはどうすれば良いのでしょうか。
まずはストレスとは何か、について考えてみましょう。 ストレス、本来の意味は物理的なもので、外部からの圧力によって歪みが生じることを指します。
ここでポイントなのは、そもそもの「ストレス」の意味に「悪い」というニュアンスは含まれない、ということです。 嫌なことが起こると人はストレスを感じるのではなく、良いことでもストレスとなる場合があるということです。
代表的なものとしては、大きな環境の変化、引っ越しや進級、結婚などもストレス要因になります。 外的刺激はすべて、人によってはストレス要因になり得るということですね。
自身のストレス特性
すべての刺激がストレス要因となり得る、と言っても、その感じ方は人によって違います。 例えば、冒頭の話のように知らない人と話をすることを非常にストレスに感じる人がいる一方、誰とも雑談できないような職場に強いストレスを感じる人もいるでしょう。
まずは、ご自身がどういった場面でストレスを感じやすいか、を考えてみてください。
ストレスは事象よりも感じ方
ここで認知行動療法の基礎でもある「ABC理論」を紹介します。
Aが事象、Bが認知、C が感情とします。
Aの事象がC の感情を引き起こすのではなく、あくまでBの「認知」がCの感情を引き起こしている、ということ。
「認知」を変えることによりCの感情を変えることができますよ、ということです。 認知、つまりは出来事の受け止め方は、信念や偏見、思い込みや思考のクセなどによって決まります。
たとえ話をすると、異動を命じられ、「自分は前の部署で評価が低かったからだ」と思い込んでいたら、実は実力を買われ、期待を込めた配置転換だった、などです。この方は間違った「認知」から不必要なストレスを感じていたということになります。
この方の間違った認知、つまり「思い込み」は、実績に対して自己評価が低いことが理由のようです。以前の部署でしっかりと評価されていたのですから、自身の実力を相応に受け止めていれば、こんな思い込みはなかったはずだからです。
貴方の「思い込み」は何でしょう。また、その「思い込み」はどのようにして作られたものでしょう。自分の中にある「思い込み」を考察し、互いにディスカッションすることで自分の隠れた「認知の歪み」を把握することをおススメしたいのです。
ストレスの「なぜ」を考える
起こった事象に対して感じるストレスですが、では、なぜストレスを感じたのでしょう。
たとえ話の異動を命じられた人は、「自分が前部署で評価されなかった」と思い込んでいたことが原因でした。
話はここからです。では、なぜ「評価されなかった」ことに対してストレスを感じるのでしょうか。
- 自分が劣ると周囲に思われるのが辛い
- 仕事ができない自分が許せない
- 周囲に対して申し訳ない
- 評価してくれない環境に怒りを感じる
- 頑張りを認められない空しい気持ち
少し想像しただけで、いろいろなケースが想定されます。同じ事象でストレスを感じたとしても、その人のストレスを感じた「なぜ」は違ってくる、ということですね。
認知≒思い込み≒経験則
では人はなぜ「思い込み」を抱えてしまうのでしょうか。
この曜日は道路が渋滞しやすいのでバスやタクシーを避けて徒歩で移動しよう、というのは経験に基づく判断です。 それはもちろん適切な判断ですし、貴方にとって有利な経験則となり、生活を助けてくれます。
しかし、「道路は渋滞するもの」と思い込み、いつでも、どこに向かうにも車を利用できなくなってしまったらどうでしょうか。
それは適切ではありませんし、貴方自身もとても困ることになるでしょう。
このように、状況を考えずに全ての事象に判断を当てはめ始めたら、それはもう「経験則」ではなく「思い込み」になります。
貴方が経験則だと思っているものの中にも、「思い込み」になっていることがあるはずです。自分はどのような思い込みを抱えるのでしょう。自問自答してみましょう。
自分に問いかける
ストレスを感じる場面において、人は考え、自問自答をします。そして、自問自答をする際、このような文言が思い浮かぶのではないでしょうか。
- 自分は悪くないのに
- なんでこんなことに
- あの人が悪い
- どうやったら無かったことになるだろうか
読んでるだけで鬱々とした気持ちになりますが(笑)これは自分に対する「問い」ですので、貴方はこれに答えを出そうと考えているはずです。
ここで発想を変えます。 人は、質問されたことに対して答えを出そうとします。「自分への問い」を以下のように変えてみてください。
- 今できることはなんだろう
- ここから何が学べるだろうか
- あの人の判断にも理由があるのでは
- 責任を全うするにはどうすればいいのか
自分に対する問いかけを変えることで、思考が変わり、余計なストレスを抱えずに済むようになります。また、辛い経験も糧となり、成長することができるでしょう。
ストレスとの上手な付き合い方はすべてのビジネスパーソンに必要なスキルです。思考を変え、思い込みを自覚し、自分への問いかけを変えることで、ストレスと上手に付き合っていただければと思います。
心理カウンセラーが教える『ストレス状態との上手な付き合い方』
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